3次試験は、面接だった。
このころになると”記念受験”だったはずの入社試験に、一抹の希望が生まれてきていた。多少の欲が芽生えていた、と正直に書いておく。
同じ大学に、すでに訓練生として内定を勝ち取った者が数名いた。ボクは3次試験を前にして、それほど親しくもない彼らから情報を得るために、わざわざ自宅まで押しかけるほど積極的になっていた。記念受験だと言っていたのに、我ながらずいぶん必死である(笑)。
面接の内容
面接官は中間管理職、中堅機長、CA管理職らしき方々3〜4名だったと思う。
質問内容は、正直あまり覚えていない。「学生生活で頑張ったことは?」などのお決まりの世間話程度だったような気がする。
そんな面接で何が評価されたのか。ボク自身は「履歴書に書いたことと整合性のとれる、着飾らない正直な態度が好感を持たれたのかな」と思っている。いちばん人数が絞られると聞いていた3次試験を、何とか通過させてもらえた。
なお、就職活動期間にもかかわらずサーフィンに明け暮れていたボクは、真っ黒な顔で面接に挑んだ。今考えると、なんとも世間知らずで怖いもの知らずの若造だったと思う。そんなボクを通してくれた先輩方に、改めて感謝を申し上げたい。
エアラインパイロットが最も嫌うもの
現職に就いてから痛感していることがある。エアラインパイロットの世界(少なくとも日本の)で最も嫌われるのは、「うそつき」だということだ。
安全運航を第一に掲げる業界では、「できないこと」「間違ってしまったこと」を包み隠さず正直に表明する態度が、極めて重要視される。自分を実力以上に見せようとしたり、ミスを隠す姿勢は、訓練過程で徹底的に矯正される。
そういった訓練を見据えると、3次試験はまさに”うそつき傾向”の者を早めに排除するための場だったのかもしれない。
面接で必要だったのは、自分をすごく見せることではなく、ありのままを伝える誠実さだった。ボクには誇れるものが何もなかったので、正直に伝えるしかなかったのだが、それが功を奏したようだ。
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次回は、4次試験——精密な身体検査について書く。努力や勉強では対抗できない「生まれ持ったもの」が問われる試験だった。
〔つづく〕